■ 大人気を誇ったIBM Deskstar 60GXPシリーズ
IBMのハードディスクであるDeskstar 60GXPシリーズ(IC35LXXXAVER07)は、
前モデルであるDeskstar 75GXPシリーズ(DTLA-XXXXXX)の後継として登場した。
IC35L040AVER07-0(40GB)
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Deskstar 75GXPシリーズは、その性能の高さから人気があったが、
Deskstar 60GXPシリーズはさらに高い性能を持っていた。
回転数(7,200rpm)、平均シークタイム(8.5ms)、キャッシュ(2MB)は同じだが、
プラッタ1枚あたりの容量は、15GBから20GBへと高密度化している。
このことから、Deskstar 75GXPシリーズ以上の速度が出るとして、
Deskstar 60GXPシリーズは相当な数が売れた。
参考:20GBプラッタ採用のIBM製7200rpm HDDが登場(ascii24.com)
Deskstar 75GXPシリーズの高性能を引継いだ、Deskstar 60GXPシリーズ。
だが引き継いだのは、それだけではなかった...
■ 先代、DTLAシリーズの突然死
Deskstar 75GXPシリーズの突然死。
これは、それが持つファームウェアが原因であった。
そして、後継のDeskstar 60GXPシリーズも、この突然死を引き継いでいたのである。
Deskstar 60GXPの登場は、Deskstar 75GXPの突然死が表面化する前であったため、
Deskstar 60GXPの性能の高さのみが注目され、
Deskstar 60GXPは何の疑問もなく、広まっていった。
そして数ヶ月...
Deskstar 75GXPの突然死が多発。
有効な対応策なく、次々と死んでいく中、
後を追うように、Deskstar 60GXPの突然死が始まったのである...
■ 地に堕ちた"王者"IBM
実は、対応策はあった。
Deskstar 75GXPシリーズの突然死は、ファームウェアのアップデートで回避できたのだ。
だが、それが公開されたのが遅く、またその公表方法に問題があり、
知る人はごく一部に限られてしまった。
知る由もない大半のユーザーが突然死に遭遇し、
貴重なデータを失っていった...
皮肉にも、その性能が高く広まった数が多いため、
被害も、相当な広範囲に及ぶこととなった。
こうして、DPTA、DJNA、DTLAと、
他社を圧倒する人気を誇っていたIBMの評判は、地に堕ちたのである。
■ 消えたIBM
その後、IBMのハードディスク部門は日立に買収され、HGSTとなったが、
Deskstar 75GXP、Deskstar 60GXPに於いて苦しみを味わった人間の中には、
HGSTとなった今でも、IBMの影が見える同社製ハードディスクに対して
嫌悪感を抱いている者も多いという...
■ ファームウェアアップデートツール入手
IBM IntelliStation M Pro (Type 6868,6889)
IntelliStation Z Pro (Type 6865,6866) / NetVista - PZ2Z24US
IBM DeskStar hard disk drive firmware update
pz2z24us.exe/2.31/2002-08-12
■ ツールのインストール
フロッピーディスクに対してインストールし、
フロッピーディスクから起動して実行する。
フロッピーディスクの作成方法に関しては、
Deskstar 75GXPシリーズの突然死を参考のこと。
■ ツールの実行
実行する前に、データのバックアップを取ること。
これは不具合の修正なので、速度向上や静音化はない。
作成したフロッピーから起動する。
起動ディスクとなっているので、ツールが起動する。
グラフィカルな画面となり、ドライブがスキャンされる。
スキャンの結果、アップデートが必要な対象ハードディスクが発見されると、
下の画面が表示される。
だが、アップデート対象のハードディスクがない場合
(既にアップデート済みの場合も含む)は、以下の画面となる。
この場合はハードディスクの接続を確認するか、
お使いのツールが間違っていないか確認すること。
はじめに、「Utilities」→「Drive Info」から、
ハードディスクの「Firmware level」を確認しておく。
確認したら「OK」を選択し、元の画面に戻る。
そして「Update Firmware」を選択する。
表示される「Confirmation(確認事項)」を読む。
<注意>
実行前にデータのバックアップを取ること。
<警告>
アップデート中は決して電源を落さないこと。
万一電源が落ちると、ハードディスクが
認識されない等の深刻な問題が発生する可能性がある。
ハードディスクの設定は、実行後に全てデフォルト(工場出荷状態)に戻されるので、
必要であれば設定を記録しておくこと。
その上で実行するなら「Contimue」を選択する。
アップデートが進む。
実行後、下の緑画面が出れば、アップデートは完了となる。
その後、再度ハードディスクがスキャンされるが、
アップデート対象のハードディスクが1つだけの場合、
アップデートする対象がなくなるため、以下の画面となる。
アップデート対象のハードディスクを複数繋いでいる場合は、
対象を選択し、上記と同様の手順でアップデートを行う。
アップデート後に、Drive Fitness Testを実行し、
「Utilities」→「Drive Info」から「Microcode level」を確認する。
(「Microcode level」は、上記の「Firmware level」と同意)
アップデート前後で異なっている(=更新)ことを確認する。
■ アップデート後
アップデートしたからといって、安心はできない。
アップデートを施す前に使い込んだもの、また不具合が出てしまった後の場合、
アップデート後に安全に使えるという保証はない。
そんなハードディスクは、使用を控えるか、
一時領域等の故障してもいいような用途に留めるべきだろう。
だが、どうしても使い続けないとならない場合は、
Drive Fitness Testで物理フォーマットや完全チェックを行い、
さらに数日間の試験運用で入念に安全を確認すべきだろう。
また、Deskstar 60GXPシリーズ登場から4年以上が経過している。
ファームの不具合とは関係なく、ハードディスクが寿命を迎える時期である。
Deskstar 60GXPシリーズは流体軸受けではなくボールベアリングであるため、
キーンという回転音が、相当大きくなっているだろう。
流体軸受けの新型ハードディスクを入手し、退役させるのもよいだろう。
■ 本サイト内 関連事項
ハードディスクの障害に関して
IBM Deskstar 75GXPシリーズ(DTLA)の突然死
ハードディスク関連ツール一覧
Hitachi Feature Tool
Drive Fitness Test
Identification Utility for IBM Deskstar hard disk drives
物理フォーマット(Low Level Format)の実行
HDDのデータを復元(修復/復旧/回復)させる
HDDのデータ漏洩を防ぐ(データ消去/データクリア)
(2005/12 作成)
最新または現行内蔵ハードディスク一覧 型式, 容量, 回転数, 接続規格が一覧になっており便利
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